ざっくりいえば、歩兵の時代には市民が力をもち、騎兵の時代には貴族が力をもちます。民主政治は歩兵の時代に栄え、騎兵の時代には封建制でした。戦場を支配するものが、社会を支配したのです。 - 略 - 古代ギリシャの都市国家。軍隊は市民たちからなる重装歩兵でした。この密集陣がペルシャの大軍を何とか凌いだことで、ギリシャの都市国家群と、その社会はペルシャ戦争を生き残りました。(略)貴族も、平民も、みんなで肩を並べて戦う。一人でも逃げたり、抜け駆けしたら、陣形が台無し。負担は平等で、英雄は不要。アーサー・フェリルの著書「戦争の起源」では、ギリシャの歩兵密集戦法はその社会に根付いたものだったと論じています。 - 略 - 中世は騎兵の時代です。アブミの発明と馬格の向上といった技術革新で、騎兵の戦闘力が向上しました。強力化した騎兵は、戦場を支配します。すると馬を扱える職業戦士、騎士や武士といった戦士階級が軍事力を握ります。自然、社会の主導権を握り、封建の世を築きます。 - 略 - 近代民主主義の誕生は、啓蒙思想とライフルの発明を待たなければいけません。思想が社会を革命し、ライフルが戦場を革新しました。ライフルの特徴は2つ。第一に、とんでもなく強力。第二に、その威力を最大に発揮できるのは、大量に動員できて、かつ自分の命よりも国や民族のために戦う命知らずの国民軍だってこと。ライフル時代の戦争に勝利するには国民軍が必要で、国民軍を手に入れるには、まず「国民」を作り出さねばなりません。市民に権利を与え、国政に参加させ、さまざまなシンボルを用いて「俺たちは国民だ」という仲間意識を持たせることです。 - 略 - 戦争のあり方を左右するのは、その時代の軍隊のカタチです。そして軍隊のカタチは民主制や封建制といった政治体制に規定され、馬やライフルといった軍事技術に支えられます。ハケット将軍が述べたように「一つの国がその戦闘部隊を覗き込んでいるとき、それは鏡を覗き込んでいるのである。つまり鏡が本物であれば、その国が鏡の中で眺めているその顔は、その国自身の顔である」といっていいでしょう。
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なるほどなあ。








